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江戸時代
大石内蔵助の辞世の句
大石内蔵助(おおいしくらのすけ)の辞世の句 あら楽し 思ひは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし 思いを晴らして死んでいくのは、何と楽しいことよ。 見上げる月に雲がひとつもかかってないように、我が心は澄み切っている。 ※赤穂浪士四十七士の... -
江戸時代
浅野内匠頭の辞世の句
浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)の辞世の句 風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残を いかにとやせん 風を誘って散る桜の花よりもなお、急いで散ろうとしている私は、この春の心残りをどうしたらいいのだろうか。 ※享年35。※浅野長矩(あさのながのり... -
昭和
永峰肇の辞世の句
永峰肇(ながみねはじめ)の辞世の句 南溟に たとへこの身が果つるとも いくとせ後の春を想へば たとえ南方の大海にこの身が果てたとしても 何年もの後の春を想えば。 ※マバラカット基地に生還した飛行機の中に、彫られた句。永峰肇は享年19。 -
新選組
土方歳三の辞世の句
土方歳三の辞世の句 鉾(ほこ)とりて 月見るごとに おもふ哉(かな) あすはかばねの 上に照(てる)かと 鉾を手にし、月をみるごとに思うのだ。明日は自分の屍に月の光が照るのかもしれないと。 ※2011年に京都の霊山歴史館で見つかったもの。 よしや身は 蝦... -
維新志士
岡田以蔵の辞世の句
岡田以蔵(おかだいぞう)の辞世の句 君が為 尽くす心は 水の泡 消えにし後ぞ 澄み渡るべし 君のために尽くした私はこうして処刑され消えてしまいますが、そのあとも私の澄み切った心は残るでしょう。 ※「君」は、「天皇」であるか、指導者であった武市瑞... -
維新志士
江藤新平の辞世の句
江藤新平の辞世の句 ますらおの 涙を袖に しぼりつつ 迷う心はただ君がため 立派な男が涙で濡れた袖を絞り続ける。迷う心は、ただ人生を君(=天皇陛下)に捧げてきたのに。 江藤新平の最後の言葉 唯皇天后土のわが心知るあるのみ 自らの心情を「皇天后土... -
平安時代
在原業平の辞世の句
在原業平(ありわらのなりひら)の辞世の句 つひに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを 誰しもが最後に通る道とは聞いていたが、まさかそれが自分の身に、間近に差し迫ったものだとは思いもしなかった。 -
平安時代
紀貫之の辞世の句
紀貫之(きのつらゆき)の辞世の句 手にむすぶ 水に宿れる 月影の あるかなきかの 世にこそありけれ 手にすくった水に映った月のような、あるかないか分からないようなはかない世に生きていたんだな。 -
戦国武将
北条氏政の辞世の句
北条氏政の辞世の句 吹きと吹く 風な恨みそ 花の春 紅葉も残る 秋あらばこそ 吹く風を恨むな。花が残る春や、紅葉が残る秋がある訳がないのだから。 -
戦国武将
黒田官兵衛の辞世の句
黒田官兵衛の辞世の句 おもひおく 言の葉なくて つひにいく 道は迷はじ なるにまかせて この世に思い残すことはない。今は迷うことなく、心静かに旅立つだけだ。